【評価方法】
2024年8月開催の社外取締役と監査役の会合において、前回の実効性評価より抽出されたアクションプランへの取り組み状況について中間振り返りを行うと共に、2024年度の実効性評価の実施方法について議論を行いました。
その結果、前回評価において第三者評価機関によりその妥当性が確認された、取締役会自身による自己評価方式を2024年度の実効性評価において採用することとしました。
なお、事務局の評価・分析及び改善案ドラフトの妥当性確認を目的に、今後も3年に1度程度のサイクルで第三者評価機関を起用する方針を確認しました。
その後、11月開催の取締役会において、2024年度の実施方針、事務局作成のアンケート内容・構成など、2024年度の評価項目について審議を行いました。
同審議の内容を踏まえ、評価項目については以下のとおりとしたうえで、全ての取締役及び監査役に対して完全無記名のアンケート調査(WEB形式)を実施し、事務局にてアンケート回答結果の集計及び分析を行い、2025年1月の社外取締役・監査役と代表取締役との会合において、集計・分析結果及び今後の課題と取組みについて議論を行い、2月の取締役会において、評価結果を確認しました。
【評価項目】
2024年度のアンケート項目は以下のとおりです。設問ごとに概ね4段階で評価する方式としており、具体的な意見の吸い上げのために、多くの質問に自由記述欄を設けました。
第1章【自己評価】
第2章【取締役会の構成】
第3章【取締役会の運営】
第4章【取締役会への支援体制】
第5章【取締役会の役割・責務】
第6章【投資家・株主との関係】
第7章【指名・報酬諮問委員会】
第8章【前回策定したアクションプランへの取組み】
第9章【自由記述】
【前年度の実効性評価結果を踏まえた2024年度の取組み】
2023年度の取締役会実効性評価の結果を踏まえた2024年度の取組み状況は以下のとおりです。
1. 経営戦略の議論の充実
Ø INPEX Vision@2022の分析・総括を前広に実施。
Ø 次期中期経営計画・Visionの策定に向け、年初においてあらかじめ十分な議論回数を確保したうえで、その位置づけ、目標指標、計画策定プロセス等幅広い視点からの議論を実施。
2. 取締役会における議論の更なる活性化
Ø 取締役会の資料において、経営会議等における議論ポイントの紹介を継続。
Ø 懇親会等の実施により取締役会メンバー間の連携を促進するとともに、執行役員との交流・意見交換の機会を確保。
Ø 事前説明会の実施及び集中審議案件提示の継続に加え、定例案件の報告頻度・方法変更によるメリハリの効いた取締役会運営を追求。
Ø 取締役会メンバーの更なる知見向上への取組みとして、「AIとエネルギー産業」をテーマにAI活用の専門家による講演会・意見交換会を開催。
3. 指名・報酬諮問委員会の機能強化
Ø 独立社外取締役を委員長に選任するとともに、構成についても委員4名中3名を独立社外取締役とするなど、指名・報酬諮問委員会の客観性・独立性を一層強化。
Ø 代表取締役社長のサクセッションプランを含む指名・報酬諮問委員会における年間の審議内容について委員長より取締役会にフィードバックを実施。
4. 取締役会の在り方に係る議論の深化
Ø 2025年3月の株主総会における取締役候補者について、取締役会メンバーの更なる多様性の確保の観点から指名・報酬諮問委員会において議論を実施。それら議論の結果を踏まえ取締役会において適切な候補者を選定。
【2024年度の評価結果の概要】
社外取締役・監査役と代表取締役の会合、経営会議及び取締役会での審議の結果、2024年度の取締役会の実効性については以下の評価結果が確認されました。
・ 取締役会の構成について、メンバーの知見・経験は十分な多様性を備えており、人数規模や社外取締役の割合についても概ね現状において適切であるものの、今後は、女性取締役の増員や、外国籍取締役の登用等を通じ更なる多様性確保を図るべき。
・ 事前説明会の開催や経営会議等での議論の共有及び専門用語の解説・注釈等の、取締役会の議論活性化に向けた取組みはいずれも有効であり、継続するべき。
・ 社外専門家による講演会、国内外操業現場の視察及び取締役会内外での自由討議の機会等を確保することで非常勤役員の知見向上を図るとともに、取締役会メンバー間及び執行役員との連携を一層強化するべき。
・ 投資家・株主との関係においては、市場との対話の重要性を認識し、積極的な発信と関係構築に努めており、引き続き取組みの充実化を図るべき。
・ 指名・報酬諮問委員会については、その独立性・客観性が確保されており、指名・報酬両分野における審議等において必要な役割を果たしている。今後は、取締役会との連携強化の取組みをより一層推進するべき。
上記を含む個別の評価結果を総括した結果、2024年度の取締役会全体の実効性は、全体として前年度に引き続き十分に確保されていると評価されました。
【更なる実効性確保に向けた取り組み】
取締役会の更なる実効性の確保に向け、今後の取り組みとして、以下のアクションプランが設定されました。
1. 経営戦略の議論の充実
Ø 取締役会付議各議案について、中期経営計画・Visionにおける位置づけや関連性を明確にする。
Ø 計画達成に特に大きく影響を及ぼす戦略については、個別に審議事項を設けるなど十分な議論に基づき、迅速果断な経営判断を行う。
Ø 必要に応じ事業環境や事業関連分野に関する取締役会内外での自由討議の機会を確保する。
2. 取締役会の議論の活性化
Ø 経営会議における論点の紹介、専門用語の解説、資料の早期提供などの情報共有及び案件理解向上のための各種取り組みを継続する。
Ø 取締役会メンバー以外も含めた適切な交流・意見交換の機会を設ける。
Ø 事業戦略等の議論に資するべく、国内外の操業現場視察の機会を確保する。
Ø 主要事業国における環境政策・規制の動向、技術動向、M&A等についての取締役会メンバーの更なる知見向上への取組みとして、社外専門家等による講演会を検討し、実施する。
Ø 取締役会実効性評価の最適な手法について、継続的に検討する。
3. 指名・報酬諮問委員会の機能強化
Ø 指名・報酬諮問委員会から取締役会への情報連携の更なる充実を図るため、審議結果に加え、審議計画や協議の進捗に関する報告を行う。
Ø 取締役指名及び業績連動報酬に係る指名・報酬諮問委員会での審議状況に加え、代表取締役社長のサクセッションプランの検討状況についても併せて報告を行う。
Ø 従来同様、取締役会とした備えるべきスキルの組み合わせについて、指名・報酬諮問委員会において中期経営計画の達成に必要なスキルを議論した上で適切な候補者を選定し、取締役会に答申を行う。
4. INPEX Vision 2035を踏まえた取締役会の在り方に係る議論の深化
Ø 取締役会の多様性向上への取り組みとして、女性の増員や外国籍・他業種経営経験者の登用について、指名・報酬諮問委員会での議論を深化させる。
Ø 当社の特性を踏まえた取締役・取締役会の役割を整理し、取締役会付議基準のレビューや、必要に応じ最適な機関設計についての議論を行う。
当社は、今回の評価結果を踏まえて、引き続き、取締役会の実効性の向上を図ってまいります。
以上